三菱地所・サイモン株式会社 様

全10施設の紙マップをデジタル化! 広告出稿テナントが誘客施策に有効活用し、スポットアクセス数80%増加も


三菱地所・サイモン株式会社は、国内外の有名ブランドを取り扱うアウトレットモール『プレミアム・アウトレット』を全国10ヶ所で展開しており、全施設にデジタルフロアマップ「メタマップ」を導入しています。今回は「メタマップ」の活用方法について、担当者様にお話を伺いました。

プレミアム・アウトレット全10施設のデジタルマップを運用中御殿場プレミアム・アウトレット デジタルマップ
プレミアム・アウトレット全10施設のデジタルマップを運用中 御殿場プレミアム・アウトレット デジタルマップ
platinumaps.jp/d/premiumoutlets-gotemba

多くのテナントを所有する商業施設ならではの課題

- デジタルマップ導入前はどのような課題がありましたか?

プレミアム・アウトレットは多くのテナントの出店があり、広大な敷地と複雑な階層構造の施設もあることから、以下のような課題がありました。

・広大な施設内で、自身の現在地を把握しづらい【お客様側の課題】
・目的のテナントを見つけ出すのが困難【お客様側の課題】
・テナント入れ替えの度に紙マップを更新するため、コストと手間がかかる【施設側の課題】

特に御殿場プレミアム・アウトレットは敷地が広大なため、バスツアーなどで時間制約のあるお客様や、一日でテナントを回りきれずに歩き疲れてしまうお客様が多く、目的のテナントにスムーズに辿り着ける仕組みが求められていました。また、情報量の多い従来の紙マップは、視認性・検索性が悪く、お客様にとって不便であるという課題もあり、これらの改善も必要でした。
加えて、テナントの入れ替えや設備の移動の度に紙マップを刷り直す必要があり、印刷費だけでなく、デザインの更新作業や在庫管理が施設運営上の大きな負担となっていました。

実際にプレミアム・アウトレットで配布されている紙のフロアマップ(御殿場プレミアム・アウトレットの場合)
実際にプレミアム・アウトレットで配布されている紙のフロアマップ
(御殿場プレミアム・アウトレットの場合)

- デジタルマップ導入のきっかけは何ですか?

導入のきっかけは、プレミアム・アウトレットアプリのリニューアルです。
プレミアム・アウトレットアプリの利便性向上、お客様の使用頻度向上を目的としてリニューアルに取り組む中で、広い施設内での有用性が高いデジタルマップの埋め込みを検討しました。

まずは、デジタルマップの需要や利用状況を把握するため、当時新規オープンした「ふかや花園プレミアム・アウトレット」でデジタルマップを先行導入し、その後、他施設への展開を進めていきました。

プレミアム・アウトレットアプリブランド検索のカテゴリでテナントをタップすると、メタマップの詳細画面に遷移する
プレミアム・アウトレットアプリ
ブランド検索のカテゴリでテナントをタップすると、メタマップの詳細画面に遷移する
www.premiumoutlets.co.jp/sp/fun_shopping/#fun_shopping03--title

- 弊社の「メタマップ」を選んだ決め手は何ですか?

実は、アプリリニューアルの何年も前からデジタルマップサービスを比較検討していたのですが、使い勝手や費用面、自社アプリとの連携の可否など課題が多くあり、導入を見送っていました。
しかし、メタマップは新宿NEWoManでの導入実績もあり、複雑なフロアでも視覚的に分かりやすく表示できる機能を備えているため、快適な施設内ナビゲーションを提供できると確信しました。また、デジタルマップを自社アプリ上で表示できるため、別アプリへの遷移が不要という点、API連携により自社アプリに最新情報を反映できる点も大きなメリットでした。
これらの点がメタマップを選んだ決め手です。

階層が段々畑状の複雑な構造でも、メタマップでデジタルマップ化が可能だった
階層が段々畑状の複雑な構造でも、メタマップでデジタルマップ化が可能だった

予想以上の反響!メタマップ導入で得られたもの

- メタマップ導入後の反響はいかがでしたか?

デジタルマップ導入により、想像以上の効果がありました。
開業したての施設での試験導入ということもあり、デジタルマップがどの程度活用されるかは未知数でしたが、予想を上回るアクセス数に驚きました。施設内にデジタルマップへアクセスできるQRコードとリンクを多数配置した結果、お客様の利便性が向上し、多くの方にご活用いただけたのだと考えています。

施設内の様々な場所からデジタルマップにアクセスできる
施設内の様々な場所からデジタルマップにアクセスできる

加えて、WEBサイトのテナントページの区画番号にもデジタルマップへのリンクを設置しました。これにより、テナント情報がデジタルマップ上に集約され、お客様にとってよりスムーズな情報アクセスが可能になりました。この機能はテナントからも好評です。

WEBサイト上でも様々なページからデジタルマップにアクセスできる
WEBサイト上でも様々なページからデジタルマップにアクセスできる
www.premiumoutlets.co.jp/gotemba/brands

- 施設運営の課題は解決できましたか?

テナントや設備の変更の度に紙マップを刷り直す必要があり、特にテナントの開店準備期間が短い場合には迅速な対応が求められ、施設運営の負担の一つとなっていました。しかし、デジタルマップを導入したことで、紙マップよりも早く情報を更新できるようになり、リアルタイムでの情報発信が可能になりました。お客様には「最新情報はデジタルマップをご覧ください」とご案内できるようになり、紙マップの印刷頻度や部数を抑えることができています。

また、WEBサイトの情報を更新するとデジタルマップの情報も自動的に更新される「API連携システム」を導入しました。これにより、従来から使用しているCMSの情報を更新するだけでデジタルマップにも即時反映されるため、作業効率が大幅に向上しました。

さらに、多言語対応で英語版のデジタルマップも作成し、増加するインバウンドのお客様にもスムーズに対応できるようになりました。

API連携により、WEBサイトの情報がデジタルマップにも反映される仕組み
API連携により、WEBサイトの情報がデジタルマップにも反映される仕組み

加えて、区画番号と座標を紐づける機能をボールドライト社に追加開発していただいたことで、手間がかかっていたテナントの場所設定作業を削減することができました。この機能により、新規テナントの出店準備作業も効率化できています。

ボールドライト社には、他にも様々な機能開発やサポートを提供していただきました。担当営業の方と開発チームの方の迅速かつ柔軟な対応のおかげで、当初想定していなかった課題の解決や、利便性向上に繋がる様々な機能の実装を実現できました。些細な質問や相談にも丁寧に対応いただけたので、大変信頼しています。

ダッシュボードの活用で販促活動をアップデート

- ダッシュボードの活用方法を教えてください

検索ワードやPV数といったデータは、これまでもWEBサイトのアクセス解析で一定程度は把握できました。しかし、メタマップのダッシュボードでは、利用者の属性や利用状況を詳細に、かつ視覚的に確認できるようになりました。これにより、データ抽出や分析にかかる手間が削減され、業務効率化の実現と新たな課題の発見につながっています。

例えば、デジタルマップ上でのアクセス数は多いものの売上が伸びていないテナントは、来店後の購入に繋がっていない可能性が高いと推測できます。そこから、品揃えの問題なのか、価格設定なのか、あるいは他の要因なのかと仮説を立てて検証していくことが可能になりました。

今後も、テナントへのフィードバックや販促施策の改善にダッシュボードを活用し、テナントと施設全体の売上向上に貢献していきたいと考えています。

検索ワードやスポットごとのPV数が一目で分かるダッシュボード
検索ワードやスポットごとのPV数が一目で分かるダッシュボード

また、施設内では壁面広告・柱広告・フードコートテーブルのシール広告などのOOH広告を展開しており、その広告掲載権をテナントに販売しています。テナントには、広告内にデジタルマップへアクセスできるQRコードの掲載を推奨しています。QRコードを掲載することで、従来のOOH広告では困難だった効果測定がある程度可能となるためです。実際、あるテナントの広告掲載期間中のアクセス数を計測した結果、通常期間と比較して80%の増加が確認できました。

また、アプリのプッシュ通知配信権も販売しており、プッシュ通知からも同様にデジタルマップのスポット詳細ページへの遷移が設定されています。

現在では、広告掲載する多くのテナントがデジタルマップのQRコードを掲載しています。これにより、お客様だけでなくテナントにもメタマップを活用いただけるようになり、双方にとってメリットのある仕組みを構築できました。

メタマップ活用で、今後も進化する
プレミアム・アウトレット

- 今後、メタマップをどのように活用していきますか?

メタマップで取得できるデータは、引き続きマーケティング戦略に活用していきたいと考えています。

例えば、ダッシュボードで確認できる時間帯別のセッション数は、お客様の施設内滞在時間と相関関係にあると推測できます。そのため、セッション数が少ない曜日や平日の夕方以降などの時間帯には、お客様に長く滞在していただけるようなキャンペーンやイベントを実施したり、より効果的な販売促進策を検討していきたいと考えています。

また、施設内の回遊促進施策として実施していた紙のスタンプラリーは、台紙のデザインや印刷コスト、お客様によるレシート保管の手間等、運用上の課題がありました。今後はデジタルマップ上で開催できるデジタルスタンプラリー機能の利用を検討しています。

今後もボールドライト社のメタマップをはじめとする各種サービスを活用し、プレミアム・アウトレットをご利用のお客様の利便性向上と快適な施設体験の実現に継続的に取り組んでまいります。

メタマップ担当営業 コメント

広大な館内での現在地の把握や目的テナントの検索が難しいという来訪者の声、また紙マップ更新に伴う運用負荷といった課題に対し、現地での動線確認やご担当者様とのすり合わせを重ね、最適なデジタルマップ設計をご提案しました。導入後は館内運営の効率化に加え、OOH広告としての展開にもご活用いただいており、幅広い用途で貢献できていることを嬉しく思います。現在、プラチナモールでは生成AIを活用したダッシュボード分析など、マーケティング支援機能の提供も強化中です。多くのお客様が訪れる施設だからこそ、今後も迅速な対応と継続的なサポートを通じて、運用効果の最大化に貢献してまいります。


三菱地所・サイモン株式会社様『プレミアム・アウトレット』概要


PREMIUM OUTLETS® は、Simon Property Group, Inc.が商標を持つアメリカ生まれのアウトレットセンターで、ニューヨーク近郊の「ウッドベリーコモンプレミアム・アウトレット」 をフラグシップとし、ロサンゼルス郊外の「デザートヒルズプレミアム・アウトレット」、ハワイの「ワイケレプレミアム・アウトレット」等、全米各地で展開しています。現在では合弁会社を通じ、日本以外でも、メキシコ、カナダ、韓国、マレーシア、タイ、インドネシアなど、世界各地に拡大しています。

三菱地所・サイモン株式会社は、三菱地所株式会社とSimon Property Group, Inc.による合弁会社で、日本におけるプレミアム・アウトレットの開発・所有・運営を行っています。2000年に御殿場とりんくうを開業し、現在は全国で10施設を運営しています。
www.premiumoutlets.co.jp