ホテルニューオータニ東京 様

開業60年、進化するおもてなし。ホテルニューオータニ(東京)、デジタルマップで新たな顧客体験を創造


ホテルニューオータニ(東京)は日本を代表するホテルの一つで、今年で開業60年を迎えました。広大な敷地と多様な施設が魅力で、特に1万坪を誇る日本庭園は訪れる多くのゲストを魅了し続けています。しかし、その広さゆえ、館内の移動が困難という課題も抱えていました。今回のインタビューでは、この課題を解決するために導入されたデジタルマップ「プラチナモール」の効果について、ホテルニューオータニ(東京)の担当者様にお話を伺いました。

広大な敷地ゆえの、ホテルニューオータニ(東京)の課題

- プラチナモール導入に至った背景を教えてください

ホテルニューオータニ(東京)は、「ザ・メイン」「ニューオータニ・ガーデンタワー」「ニューオータニ ガーデンコート」の3棟からなるホテルです。総面積が広く、日本庭園のみでも1万坪を有する広大な敷地が特徴です。しかし、丘陵地という立地条件のため館内構造が複雑になり、棟によっては階数が途中で変わる箇所も。そのため、棟から棟への移動では目的地をすぐ見つけることができず、到着するまでに時間を要することが課題となっていました。

ホテルは3棟で構成されており、約100軒のテナントと37軒の飲食店、33箇所の宴会場を有する
ホテルは3棟で構成されており、約100軒のテナントと37軒の飲食店、33箇所の宴会場を有する

館内には紙のフロアマップを複数設置し、チェックイン時にもゲストにご案内しておりました。また、WEBサイトにもPDF版のフロアマップを掲載していましたが、ゲストやテナントの方々から「もっと分かりやすくしてほしい」というご意見をいただいていました。それにより、紙のフロアマップや口頭での説明が難しい場所への経路案内には、ホテルスタッフが目的地まで付き添う場面もありました。さらに、紙のフロアマップは年度ごとにしか更新できず、常に最新の情報を提供できないという課題も抱えていました。

従来使用されていた紙のフロアマップと、WEBで公開されていたPDFのフロアマップ
従来使用されていた紙のフロアマップと、WEBで公開されていたPDFのフロアマップ

・スタッフが常駐していない場所やフロアマップが手元にない状況でも、ゲストがスムーズに目的地へ辿り着く環境を整えたい
・ゲストの館内での快適な滞在と満足度向上を実現したい
・店舗、施設の入れ替えなどの情報更新に柔軟に対応したい

こうした目的でデジタルマップの導入を検討しました。ボールドライトのプラチナモールは他の商業施設での導入実績も豊富で、複雑な構造にも対応できる点が決め手となり、ホテルニューオータニ(東京)での導入に至りました。

導入して約2ヶ月。短期間でも生まれた効果

- プラチナモール導入後、どのような効果を感じましたか?

プラチナモールを導入し、カテゴリ分けや店舗・施設の詳細情報を設定できたことで、マップの実用性や視認性が向上しました。

デジタルマップ上での店舗や施設、各棟の出入口への経路案内、キーワード検索などにより、ゲストが迷わずに目的地に辿り着けるようになりました。また、ズームアウト・ズームイン機能で全体図から詳細情報まで確認できる点は、紙のフロアマップにはないメリットです。これによりゲストがホテル自体の構造を理解しやすくなり、目的地以外の施設にも興味を持っていただけるようになったと思います。プラチナモールはスマートフォンでの利用に適したレイアウトで表示されるため、館内移動中に使用しやすいのも良いですね。

途中で階数が変わるような複雑なフロアも、シームレスに経路検索が可能。
途中で階数が変わるような複雑なフロアも、シームレスに経路検索が可能。

また、デジタルマップの経路検索機能によりゲスト自身が館内で迷わず目的地に辿り着けるようになり、各スタッフによる経路案内などのご案内も簡略化できました。そのため、おもてなしに集中できる時間が増加しました。

例えば、ベル係がお客様のお部屋へのご案内を終えてロビィへ戻る途中、別のお客様から経路を尋ねられることがありました。時には目的地までご案内することもあり、その間、次のゲストをお待たせしてしまうこともありました。しかし、経路を尋ねられた際にデジタルマップをご案内できるようになったことで、チェックインのお手伝いやお部屋へのご案内といった業務により多くの時間をかけることができるようになりました。

また、プラチナモールは多言語に対応しているため、ホテルニューオータニ(東京)のデジタルマップも英語で表示が可能です。そのため、インバウンドのゲストにもスムーズにご案内できるようになったと思います。
デジタルマップは多くの方にご覧いただけるよう、館内案内のページだけでなく、WEBサイトで多く閲覧されている「アクセス」のページにも掲載しています。

さらに、多くの店舗・施設を有するホテルニューオータニ(東京)にとって、館内情報の迅速な更新も課題のひとつでした。従来の紙のフロアマップは更新頻度が年1回程度と限られていましたが、プラチナモール導入後は管理画面から店舗・施設情報をリアルタイムで更新できるようになりました。情報更新に携わるスタッフには、利便性が向上したと好評です。

ホテルニューオータニ(東京)ならではの拘りを
マップに反映

- デジタルマップの作成で工夫した点はありますか?

視認性向上のため、3つの棟と日本庭園をそれぞれ異なる色で区別しました。以前のマップは廊下を緑、店舗・施設をピンクで色分けしており、お客様から「もっと分かりやすくしてほしい」とのご意見をいただいていました。デジタルマップ化を機に、各棟を色分けした見やすいデザインに刷新できました。

各棟を色分けすることで、視覚的な分かりやすさを追求
各棟を色分けすることで、視覚的な分かりやすさを追求

ホテルならではの工夫として、一部のレストランにドレスコードの詳細が分かる項目を表示しました。また、化粧室・駐車場・喫煙所・授乳室といったゲストからのお問い合わせが多い施設も分かりやすくカテゴリー分けしています。さらに、バリアフリーの経路案内機能も追加し、どなたでも快適にお過ごしいただけるような仕組みを目指しています。

ゲストが快適に過ごせるよう、マップの細かい部分まで工夫されている
ゲストが快適に過ごせるよう、マップの細かい部分まで工夫されている

ウェブサイトに掲載されている情報を基に、情報を整理・更新しました。プラチナモールはスポット情報のスクレイピングやAPI連携も可能ですが、店舗・施設を多く有するホテルニューオータニ(東京)の特性上、情報が後から追加されることが多いため、更新された際も柔軟に対応できるよう手入力を行いました。また、建物の外観写真なども新たに撮影し、デジタルマップ導入を機に一新しています。

多角的なデータ活用で、さらなる顧客満足度向上へ

- デジタルマップを通じ、どのようなデータ活用をしていますか?

デジタルマップのダッシュボードから得られたデータは担当者間で共有され、マーケティング施策の改善に役立てられています。例えば、日本庭園を望む人気のティーラウンジ「ガーデンラウンジ」は、デジタルマップ上でもPV数が高い傾向にありました。このデータを参考に、WEBサイトでは「ガーデンラウンジ」のビュッフェ情報をより充実させました。

PV数や検索されているスポット、検索キーワードなどが一覧で見ることができる
PV数や検索されているスポット、検索キーワードなどが一覧で見ることができる
※掲載画像は弊社サンプル画面

デジタルマップの担当者として日々ダッシュボードを確認する中で、想定外のキーワードでの検索など、新たな気づきや発見があり、貴重な情報源となっています。駐車場は場所が分かりづらいようで、デジタルマップで検索されている方が多いことも分かりました。今後はホテル内の様々な部署とデータを共有し、マーケティング戦略全体に役立てていきたいと考えています。

また、私自身も打ち合わせなどで外部の方をお招きする際に、デジタルマップのリンクをお送りし、待ち合わせ場所や会議室をご案内しています。以前は紙のフロアマップに印をつけてPDFでお送りしていましたが、デジタルマップの方がお客様に分かりやすいと好評です。レストランなどをご利用のお客様だけでなく、会議などでビジネス利用されるお客様にも、待ち合わせ場所の共有などでデジタルマップをご活用いただきたいです。

デジタルマップの活用で目指す、今後のビジョン

ホテルニューオータニ(東京)は今年で開業60周年です。この節目の年を機に、フロアマップのDX化を推進してきましたが、今回導入したプラチナモールは、ゲストの皆様の満足度向上に大きく貢献していると実感しています。

現在、デジタルマップはホテルニューオータニ(東京)のWEBサイト上でのみご利用いただけますが、今後は店舗・施設のWEBサイト上のマップもプラチナモールに順次切り替えるなど、アクセスしやすい環境を整えてまいります。さらに、店舗・施設の詳細ページに設置されている「リザベーション」ボタンから、予約件数の増加にも繋げていきたいです。

さらに、館内サイネージや客室のテレビ、イベント等で配布するチラシなど、様々な媒体でデジタルマップを展開していきたいと考えています。来年度の紙のフロアガイドの印刷は未定ですが、デジタルマップのみでも十分対応はできると感じます。フロアガイドとは別に作成していたショッピングガイドという冊子型の施設案内ガイドについては、今回のデジタルマップで網羅できたため、切り替えを試みたいです。

また、将来的には、リアルタイムの混雑状況や周辺の散策に最適なルートなどもプラチナモール上でご案内できれば、お客様の満足度はさらに高まるのではないでしょうか。

デジタルマップの活用は、サービス向上における重要な要素の一つと考えています。今後もその機能を最大限に活用し、従業員の業務効率化を図りながら、ゲストの皆様に寄り添ったサービスの提供、より快適で質の高い滞在体験をお届けできるよう努めてまいります。

PV数や検索されているスポット、検索キーワードなどが一覧で見ることができる

ホテルニューオータニ(東京)様 概要

約1万坪を誇る由緒ある日本庭園に囲まれ、都会の喧騒から離れた静寂の中に佇む、2024年9月で開業60周年を迎えた、東京都千代田区に位置するホテル。「エグゼクティブハウス 禅」、「ザ・メイン」、「ニューオータニ・ガーデンタワー」の3つのホテルに、オフィス棟「ニューオータニ ガーデンコート」から構成される館内には、個性豊かなレストランや、大小の宴会場、ショッピングアーケードを擁し、多様なライフスタイルや要望に応える。
https://www.newotani.co.jp/tokyo/